哲学サロン

ソクラテス



平成18年1月に、松戸市の聖徳大学オープン・アカデミー(SOA)画像の説明で、「ソクラテスを読む」を皮切りとして、市民むけの「哲学の講座」を始めました。
 10年目を迎えた平成29年度から、哲学カフェを発展させ、初代兵庫県知事だった伊藤博文が、有馬温泉の旅館「陶泉 御所坊」
http://goshoboh.com/ 神戸市北区有馬町858)に直筆でしたためた「高談娯心」(高い志で話をするとお互いが楽しくなる)を信条とした「哲学サロン」をスタートしています。

★平成29年度聖徳大学SOA第Ⅲ期講座「哲学サロン」ー『遠野物語』を読むー>https://www.seitoku.jp/soa/education-psycology/10305/]]が、1月16日から3月20日までの全10回で始まっています。『遠野物語』は、遠野地方に伝わる民話・伝承を柳田国男(写真)がまとめた日本民俗学の古典です。

柳田国男
柳田国男

『遠野物語』朗読 序文
参考にお聴きください。

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平成29年度第Ⅲ期講座 
哲学サロン」―『遠野物語』を読む  

 岩手県遠野市周辺の「遠野郷」は、山の神、山女、雪女、天狗、河童、ザシキワラシ…など、いまなお語り継がれている民間信仰や異聞怪談の数々に満ちています。柳田国男はその話を採集し、綴って『遠野物語』としてまとめました。「日本民俗学」の誕生を告げる名著『遠野物語』(新潮文庫)を講読し、そこから何が読み取れるか、皆さんと自由にお話をいたしましょう。

画像の説明

1、こんな話を聞いて誰かに話したがらない人などいない
2、河童は水神の成れの果て?
3、『遠野物語』の事実性と小説性ー三島由紀夫の遠野論

井上ひさし

4、井上ひさしの『新釈 遠野物語』考
5、神々へと繋がる神秘体験
6、怪談としての遠野物語
★New!7、『山の人生』VS『奥美濃よもやま話』「新四郎さ」

★平成29年度聖徳大学SOA第Ⅱ期講座「哲学サロン」−ベルクソンの『道徳と宗教の二源泉』を読む−

画像の説明
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講座概要
 『創造的進化』で知られるフランスの哲学者ベルクソン(写真右)は、漸進的でなく飛躍的に変化する生命体進化の概念「エラン・ヴィタル」(生命の飛躍)をとなえました。新渡戸稲造は、この考え方に禅の境地と通じる世界を見出しています。『失われた時を求めて』のプルーストはベルクソンの縁戚にあたり、「時間」や「記憶」の考え方にこの哲学者の影響を受けたとも言われています。私たちの心に潜む「道徳(モラル)感」と「宗教感」の源を、ベルグソンの著作を通じて探索していくことにいたしましょう。

アンリ・ベルクソン(1859-1941)

フランスの哲学者 1927年ノーベル文学賞
著書:『時間と自由』(1889)『物質と記憶』(1896)『笑い』(1900)『創造的進化』(1907)『精神のエネルギー』(1919)『持続と同時性』(1922:アインシュタインの相対論への反論)『道徳と宗教の二源泉』(1932)
 分割が不可能な意識の流れを「持続」と呼び、この意識を生命全体から宇宙全体へと拡張し、これを生命の進化を推し進める根源的な力とし、生命はダーウィン的な連続的な進化ではなく、この根源力の発露によって、飛躍・不連続な進化を遂げてきた、と説いた。
 1922年、国際連盟の諮問機関として設立された国際知的協力委員会の委員に任命され、当時の国際連盟事務次長であった新渡戸稲造(写真左)と交流があった。神秘主義的な色彩をもつことから、霊的な現象にも興味をもち、英国神霊研究協会の会長を務めたこともある。

1、「思い入れ」のドイツ哲学、「思いつき」のフランス哲学
2、ベルクソンと新渡戸稲造
3、知性平面で分けられた二つの世界
4、宗教は知性の壁を打ち破る
5、偶然、必然、それとも…腕のいい料理人
6、「無」は「偽―観念」である
7、生命は終わりなき道を歩くーシン・ゴジラはエラン・ヴィタルの申し子か
滋賀院(右)と一微塵の書(右下)

画像の説明
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8、神は自らを愛する存在として人間を創った
9、複雑化と単純化-人間はどちらに向かうのか
★New!10、「無」という幻影を吹き飛ばせ

★平成29年度聖徳大学SOA第Ⅰ期講座「テクネーの哲学」 ―レオナルド・ダ・ヴィンチ方法序説ーは終了しました。。

講座概要
 「モナ・リザ」や「最後の晩餐」で名高いレオナルド・ダ・ヴィンチは、科学と技術を駆使した数々の発明でも知られる「万能の人」でした。「真理」探究(科学)と「美」の追求(芸術)の双方にノーベル賞を設けたら、両方をもらう資格があるのは唯一ダ・ヴィンチぐらいだろう、と言った人がいます。最晩年のダ・ヴィンチをフランスに招いて重用したフランソワ一世は「彼は偉大な哲学者でもあった」と賞賛し、彼の話を聞くことに大きな喜びを見出していました。ダ・ヴィンチ自身による『手記』やダ・ヴィンチ賛美者ヴァレリーの『レオナルド・ダ・ヴィンチの方法』、さらには、独特なダ・ヴィンチ解読から「生きる」ことの意味を体感させる建築を展開した荒川修作の作品などを重ね合わせながら、レオナルド・ダ・ヴィンチを肴に「神とは何か」や「人間とは何か」などの哲学的問題について、皆さんとワイワイしゃべり合いましょう。

1、ダ・ヴィンチにおける「人間」の問題
2、哲学者は「魔術者」それとも「手品師」?
3、宇宙と「無限」、人間と「無限」
4、「普遍の探求者」―ソクラテスとしてのダ・ヴィンチ

画像の説明

5、ダ・ヴィンチにとっての「人間」
     チェリーニ作「メデューサの頭を掲げるペルセウス」
6、ダ・ヴィンチにとっての「私」
120px-養老天命反転地01
養老天命反転地
7、ダ・ヴィンチにとっての「数学」
8、ダ・ヴィンチにおける「哲学」の問題
9、ダ・ヴィンチにおける「死」の問題
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new10、ダ・ヴィンチにおける「可能性 」の問題

★平成28年度聖徳大学SOA第Ⅲ期講座「テクネーの哲学」―あっ、発明しちゃったー

講座概要
 技術の最高峰は、何といっても発明でしょう。発明(invention)は、ラテン語のinventus(偶然見つけた、発見した)から来ており、さらに言葉の奥を探ると、in(上に)+vent(来る)=上に出て来る、の原意があります。つまり、見えないところから見えるところに飛び出してくる、ことなのです。新しい機能をもった道具・用具を作り出すことであり、それは、存在に隠されていた未知の可能性を現出させる、発見でもあります。

ガリレオ・ガリレイ

1、ヘロン「神殿扉の自動開閉装置」
2、ガリレイ「航海を変えたふりこ時計」

ダ・ヴィンチのライオン・ロボット

3 .ダ・ヴィンチ100の発明
4、ホイットニーの「コットン・ジン」
コットン・ピッカーの綿繰り風景
コットン・ピッカーの綿繰り風景(動画)
5、平賀源内の「エレキテル」
平賀源内の「エレキテル」
平賀源内の「エレキテル」(動画)
6 .豊田佐吉「人力木製織機」
豊田式木製人力職器
豊田佐吉「木製人力織機」(動画)
7 .ライト兄弟の「動力飛行機」
8 .エジソンの「電気椅子」
9 .スズメバチが「紙」を作る
10. 「現代のプロメテウス」フランクリン

★平成28年度第Ⅱ期講座「テクネーの哲学Ⅱ」 ―アリストテレスのポイエーシス[9月27日(火)~12月6日(火)] 
 

画像の説明

講座概要
 Ⅰ期で探索したプラトンの「ミメーシス(模倣)」は、創造行為は究極的にはすべて神の模倣である、というものでした。これに対して、アリストテレスは「ポイエーシス(製作)」の概念をたて、創造行為を自然や人間のものとして考察しました。「作る」行為は、生命現象から芸術、文学、さらには神学にいたるすべての領域において、その深遠の哲学的解明が待たれています。生命体から社会にいたるまで、システムが自ら自己創発をはかる「オートポイエーシス」へと歩みを進めましょう。


画像の説明

1、アリストテレスのポイエーシス
2、ソクラテスのポイエーシス
3、透明人間としてのリーダー
4、生成の担い手は市民-埼玉県志木市の大いなる実験
5、映像のポイエーシス ー「鈍い意味」
6、「オチ」のポイエーシス
7、身体のポイエーシス
8、生命のオートポイエーシス 自己組織化と相転移
9、法と社会のオートポイエーシス
10、心のオートポイエーシス

★平成28年度第Ⅰ期講座「テクネーの哲学Ⅰ」-プラトンのミメーシス-は、5月10日(火)から7月19日(火)の全10回(6月14日は休講)の予定を無事終了しました。

1、ノーベル賞になぜ「技術賞」がないのか 2016.5.10
2、野村萬歳VS近藤良平:ミメーシス(真似)をめぐる対話 2016.5.17
3、AIは哲学することができるか 2016.5.24
4、人間国宝・梅若玄祥、古代ギリシアの神殿で舞う 2016.5.31
5、創造主とは誰のことか 2016.6.7
6、何を真似するのか、何が真似されるのか 2016.6.21
7、技術のSingularity (特異点)は、人類にとって吉か凶か 2016.6.28
8、「カイロス」がもたらすものとは何か 2016.7.5
9、弁論術VS哲学的問答法 2016.7.12
10、「他力」の美、「不自由」の美 2016.7.19

平成27年度第Ⅲ期講座プラトンの『法律』を読むⅢ
は、全10回(2016年1月12日(火)~3月22日(火))を終了しました。
今回は、プラトン『法律』(岩波文庫)の下巻(第七巻―第十二巻)を購読しました。

講座の概要は、次の通りです。

1、正しい生き方は、遊びにある-2016.1.12
2、朝ドラ「あさが来た」のソクラテスとは誰だ-2016.1.19
3、万物の尺度は神であるーえっ、それってどういうこと?-2016.1.26
4、故意に不善を為す者はいない(ソクラテスのテーゼ)-2016.2.2
5、プラトンは、全体主義者なのか-2016.2.9
6、プラトンのガイア理論:あなたは「イデア」の声が聴こえますか-2016.2.16
7、われわれの国家では、誰ひとり乞食であってはならない-2016.3.1
8、偉大なるものはすべて、嵐の中に立つ?-2016.3.8
9、アテナイの食事情は、贅沢、それとも簡素?-2016.3.15
10、外国との交流について(第十二巻)

★平成27年度SOA第Ⅱ期講座
シュンポジオン「ソクラテスのおもてなしⅡ」―プラトンの『法律』を賞味するⅡ―は、9月29日(火)~12月8日(火)の全10回の予定がすべて終了しまいした。講座の概要は、次の通りです。               
                  古代ギリシアではシュンポジオンと呼ばれる食事の場で、ちょっと知的なお話を楽しみました。この「おもてなし」が、シンポジウムの語源です。前期に続いて、実現可能な国家の建設を求めた『法律』を読んでいきます。さて、今回はいかなるソクラテス流おもてなしが登場するでしょうか。
                       
1神々に次いで尊敬されるものは魂である(第五巻)2015.9.29
2、国家の基礎は富の公平な分配である(第五巻)―運命(モイラ)に従えー2015.10.6
3、法律の適切な運用は役人次第であること(第六巻)―プラトンの戦略思考―2015.10.13
画像の説明画像の説明善き政治の寓意
4、善き政治とは何か、悪しき政治とは何か―プラトンの政治哲学―2015.10.20
5、裁判:プラトンの三審性2015.10.27
6、偏らない社会をいかに実現すべきか ―プラトンの結婚観―2015.11.10
7、女性は奸智にたけた種族である―プラトンの女性観―2015.11.17
8、徳をはかるメルクマールとしての奴隷2015.11.24
[9、遊女ネアイラの物語一一女奴隷の数奇な人生2015.12.4>9、遊女ネアイラの物語]]

平成27年度第Ⅰ期講座プラトンの『法律』を読むⅠシュンポジオン「ソクラテスのおもてなしⅠ」 ―?
序、プラトンの『法律』について2015.4.28
1、「内乱の勇者に正義あり」2015.5.12
1の談論 数字9の謎とソクラテス流おもてなし2015.5.19
2、酒宴は魂の性格を試す最高のテストである2015.5.19
談論2 一週間は八日?2015.5.26
3、プラトンから読み取れる現代批判2015.5.26
4、名言か迷言か:「太った豚になるよりは、痩せたソクラテスになれ」2015.6.2
5、浅はかで未成熟な国家は滅亡する 談論付き2015.6.9
6、節度ある生活こそ幸福のもと 談論「プラトンに憲法的意識はあったか」2015.6.15
7、ソクラテスはシレノスかサテュロスか2015.6.23
8、談論:ああ、酒、酒、酒、そして、酒2015.6.30
9、談論:憲法はどうあるべきか2015.7.7
10、古代にならってシュンポジオン2015.7.7

★1月13日(火)から始まった平成26年度第Ⅲ期講座プラトンの『国家』を読むⅢは、3月17日(金)に無事終了しました。芸術をテーマとした最終回は、フッサールの現象学にまで踏み込む実に興味深い談論となりました。

1、にせ哲学者とほんとうの哲学者ー物という他者を問う2015.1.13
2、太陽の比喩―善のイデアはどこにあるのか2015.1.13
1の談論 ―至誠にして動かざる者は、未だこれ有らざるなり2015.1.20
3、線分の比喩 「見ようとして見ず、知ろうとして知らず」2015.1.20
談論2 善への道は、的の中心を射抜くがごとし―アリストテレス2015.1.27
4、洞窟の比喩とメディアとの関係2015.1.27
談論3 善と悪の諸相2015.2.3
5、哲学的問答法2015.2.3
4の談論から メディアは一つのソクラテスである2015.2.10
6、50歳統治論ー哲学をいつから学ぶべきか 2015.2.10
7、民主制―“自由で幸せ”の内実を問う 2015.2.17
5の談論から NMB48とソクラテスの関係 2015.2.17
6の談論から 「ともに」(with)の現実化 2015.2.24
8、民主主義に万歳二唱―今、起きていることの意味 2015.2.24
5の談論続き NMB48の須藤凛々花を語る2015.3.3
9、ミメーシスの本質―詩人や画家は真実を告げない? 2015.3.3
8からの談論 民主主義に物申す2015.3.10
10、エルの物語―人生をどう選ぶべきか2015.3.10
再考:民主主義 「寄りあい」に息づく「イソノミア」の精神2015.3.17
9からの芸術談義 フッサールの現象学へと踏み込む''2015.3.17



★9月30日(火)から、全10回の予定で始まった
平成26年度第Ⅱ期講座プラトンの『国家』を読むⅡ
は、12月16日(火)に無事、終了しました。

1、健全な魂が健全な身体を作る 2014.9.30
2、多様は放埓と病気、単純は節度と健康 2014.10.7
2の付記 「それであるところのもの」とイデア 2014.10.21
3、銅や鉄の人間が守護者となるときその国は滅びる 2014.10.21
3の付記 善悪を知る知 2014.10.28
4、デカルトと梅若玄祥からイデアを考える 2014.10.28
4の付記 「響き合う」議論 2014.11.18
5、誰かの幸福よりも国全体の幸福を考えよ 2014.11.18
6、余計なことに手出しをしないのが「正義」だ 2014.11.18
「響き合う議論」続き 哲学とは何か、を問う 2014.11.25
7、魂の三部分が調和しないと悪徳がはびこること 2014.11.25
続々「響き合う議論」:「ありのままの私」とは誰のことか-デリダ、パスカル、そして「アナと雪の女王」 2014.12.2
再々「響き合う議論」 ハイデガーの実存と「ありのままの私」 2014.12.9
再考「哲学とは何か」 イデアとイデアイ 2014.12.16

平成26年度第Ⅰ期講座プラトンの『国家』を読むⅠ 
5月13日(火)~7月15日(火)までの全10回(記録は9回分)

1、ソクラテス産婆術の実相 2014.5.20 真理という子ども
2、ソクラテス問答法の手法 2014.5.27
3、正義の<はたらき>、不正の<はたらき> 2014.6.3
4、三種類の善と正義 2014.6.10
5、透明人間になれる指輪があったら… 2014.6.17
6、「必要」が国家の起源だ 2014.6.24
7、魂の三分説 2014.7.1
8、神々とはいかなる存在か 2014.7.8
9、『国家』に秘められたプラトンの意図 2014.7.15


☆ホームページに掲載済みのこれまでの講座

★平成25年度第Ⅲ期講座 正義のアイデアⅢ 2014.1~3
★平成25年度第Ⅱ期講座 正義のアイデアⅡ2013.10~12
★平成25年度第Ⅰ期講座 正義のアイデアⅠ2013.5~7
★平成24年度第Ⅲ期講座 みんなカントが好きだった2013.1~3
★平成24年度第Ⅱ期講座カント『判断力批判(下)』を読む2012~9~12

講座「哲学の楽しみ」について

                                茂木和行

 聖徳大学の社会人講座SOA(聖徳大学オープンアカデミー)で、哲学の講座を設けたのは平成18年1月のことでした。「ソクラテスを読む」のタイトルで始めた当初は、講座成立すれすれのわずか6人でしたが、講座のテーマが、アリストテレス、ニーチェ、ハイデガー、カントと進むにつれて、15人から20人で推移しています。それぞれの大哲学者が何を考え、何を語ろうとしたのかを単に学ぶことよりも、時代を超えて彼らの思考が現代にどのように生きているのか、を最大のテーマとしています。
 平成24年度第Ⅰ期の講座が終わったあとで、このホームページの作成に着手したので、同年度の第Ⅱ期講座から詳細の報告を始めています。
 
 ★平成24年度第Ⅲ期講座 みんなカントが好きだった2013.1~3

 は、終了致しました。講座は以下のような形で進められました。事前に配布したレジメと、講座における受講生との対話を反映した内容を付加するようにしてきましたが、作成途上のものもあり、順次、形を整えてゆきたいと考えています。

講座内容

 後世への影響を考えると、カントは古代ギリシャのソクラテスやプラトン、アリストテレスに匹敵すると言っていいでしょう。多くの哲学者がカントに啓蒙され、刺激され、触発されて、新しい哲学を作り上げてきました。みんなが、カントを好きだったのです。愛すべきカントが、どのように捉えられ、そこからどのような哲学が花開いてきたのか、皆さんとご一緒に話し合ってみたいと思います。

講座10回分の内容

1、西田幾多郎 「道徳維持者としての神」説への反論 2013.1.8 対話つき
2、ショーペンハウエル カントの言う「物自体」とは意志である。 2013.1.15
3、ニーチェ 「物自体」は「意味自体」と同じく背理である。 2013.1.22
4、ウィットゲンシュタイン 右手の手袋はいかにしたら左手にはめることができるか 2013.1.29
5、ヘーゲル カントは弁証法の本能的発見者である。 2013.2.5 おしゃべり付
6、和辻哲郎  人は本性的に受容的であり、幸福は偶然に落ち込んでくる。2013.2.12 「イデーを見る眼」について
7、ハイデガー カントは世界という現象を見なかった。2013.2.19 
8、ラッセル カントは人なみはずれて心理学にくらかった。2013.2.26 対話付き
9、ハーバマス いったい誰がカントなしで済ますことができるだろうか。2013.3.5 倫理と道徳をめぐる議論
10、ハンナ・アーレント カントの『判断力批判』の第一部は、じつは政治哲学である。2013.3.12 作成途上

開講日時
 火曜日 2限(10:45-12:10)   計10回
  1月 8日~3月 12日

平成24年度第Ⅱ期講座「哲学の楽しみ」Ⅱカント『判断力批判(下)』を読む
(終了)  

講座内容

 自然の中でわたしたちのだれもが感じてしまう「美」の正体とは何なのでしょうか。それは、わたしたち人間が創り出してきた芸術(絵画、彫刻、音楽…)における「美」とどこが違うのでしょうか。自然自身がその「美」を生み出す技術は、人間が開発してきた技術と違うものなのでしょうか。カントは『判断力批判』の下巻において、自然の美しさと人工的な美とに共通する原理を探ろうとしています。

<講座10回分の内容>

  1. わたしたちが自然の中に見出す美の形式 2012.9.25
    テーマ:「わたくしという現象」は、アインシュタインのこの方程式の、一つの、小さな、はかない、しかし、どこまでも美しい影なのでしょうか。
  2. プラトンの純粋直観が導いたイデアの合目的性 2012.10.2
    テーマ:音楽にも数学の放物線にあたる原型的な「形」があるのだろうか。
  3. 世界には何一つ無駄なものはない 2012.10.9
    テーマ:私たち自身の「生」と「死」は、いかなる意味で無駄ではないと言えるのだろうか。
  4. 人間こそが創造の究極目的である 2012.10.16
    テーマ:カントが常々主張してやまないこの命題「人間こそが創造の究極目的である」は、本当だろうか。
  5. 美は自然が我々に配慮した恩恵である 2012.10.23
    テーマ:「美とは何か」を、一言で表現する「ゲーム」をいたしましょう。
  6. 内なる声が神を求める 2012.11.6
    テーマ:神は道徳的知性者というより、「美の降臨者」ではないだろうか。
  7. 判断力は技術としての自然という考え方を導き出す 2012.11.13
    テーマ:自然が織りなすアートの「暗号」について話しましょう。
  8. [[全自然はなんのために存在するの��%