2、クラリネット・アンサンブル ドリー・フォンティネン特別演奏会

於 聖徳大学10号館14階ホール 2016.5.20  

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 今回ご登場のクラリネットのアンサンブル「ドリー・フォンティネン」は、実に楽しい三人組です。ドリー・フォンティネンとは、ベルギーのレアものビールの名前であることをご存知な方は、相当なビール党のはずですね。全員がビール好きで、結成のときにビールを飲みながら、この名前にしたそうです。

 ピッコロ・クラリネットからバセット・ホルンまで、多彩なクラリネットを用意してくれて、演奏の合間に「クラリネット談義」に花が咲きました。
 以下は、演奏してくれた曲目とその解説、そして、クラリネットを使ったモーツァルトの作品の一覧です。
 ドリー・フォンティネンの皆さん、素晴らしい時間をありがとうございました。

★プログラムbyドリー・フォンティネン

《感じやすい心の響き・クラリネット》

 モーツァルトと同時代の音楽理論家ダニエル・シューバルト(1739-1791)はクラリネットについて、著書「音楽美学緒論」(1784)の中でこのように述べています。
"恋愛へと溶け込んでゆく気持ちの動き……これぞ、感じやすい心の響きにほかならない。"

W.A.モーツァルト:「恋とはどんなものかしら」(歌劇「フィガロの結婚」K.492)
W.A.Mozart:Arietta"Voi che sapate" nach KV492 (2.Akt,aus Szene III)
W.A.モーツァルト:「愛の息吹き」(歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」K.588)
W.A.Mozart:Aria"Un' aura amoroso" nach KV588 (1.Aufzug Nr.17)
W.A.モーツァルト:「もう飛ぶまいぞこの蝶々」(歌劇「フィガロの結婚」K.492)
W.A.Mozart:Aria"Non piu andrai,farfallone amoroso" nach KV492 (1.Akt,aus Szene VIII)

《低音に魅せられて》

 モーツァルトのクラリネット用法は、名手アントン・シュタードラー(1753-1812)と出会ったことで大きく変化しました。当時あまり使われていなかった最低音域を得意とするシュタードラーの饒舌なテクニックに魅せられたのでした。

C.Ph.E.バッハ(1714-1788):二重奏曲 Wq142
C.Ph.E.Bach:Duo Wq142
C.グラウプナー(1683-1760):序曲(組曲ハ長調 GWV401)
C.Graupner:Ouverture (Ouverture in C GWV401)

《妙なる響き・バセットホルン》

 モーツァルトが書いたフリーメイソンのための作品に度々登場するのがこのバセットホルン。バセットホルン三重奏のために書かれた当時のオペラ編曲と、フリーメイソンの儀式音楽として書かれたといわれる作品を、バセットホルンの神秘の音色で。

W.A.モーツァルト:ロンド「君を愛する人の願いに」K.577(歌劇「フィガロの結婚」のための)
W.A.Mozart:Rondo"Al desio di chi t' adora" nach KV577
W.A.モーツァルト:アダージョ ヘ長調 K.410
W.A.Mozart:Adagio in F, KV410
W.A.モーツァルト:ディヴェルティメント第4番 ヘ長調 K.Anh.229(439b)
W.A.Mozart:Divertimento Nr.4 in F aus KV Anh.229(439b)
ドリー・フォンティネン1
<クラリネット使用作品年表>

1771 ディヴェルティメント 変ホ長調 K.113
1773 ディヴェルティメント 変ホ長調 K.166(159d)
 ディヴェルティメント 変ロ長調 K.186(159b)
1778 交響曲第31番 ニ長調「パリ」K.297
1781 (モーツァルト、ザルツブルクからウィーンへ)
 歌劇「イドメネオ」K.366
 セレナーデ第11番 変ホ長調 K.375
1782 アダージョ K.410
 アダージョ K.411
 セレナーデ第12番 ハ短調 K.388
 歌劇「後宮からの誘拐」K.384
 交響曲第35番 ニ長調「ハフナー」K.385
1784 (3月)セレナーデ第10番 変ロ長調「グラン・パルティータ」K.361(370a)初演
 (4月)ピアノと管楽器のための五重奏曲 変ホ長調 K.452初演
 5つのディヴェルティメント ヘ長調 K.439b
 ノットゥルノ K436~439a
 (12月モーツアルト、フリーメイソン入団)
1785 フリーメイソンのための葬送音楽 K.477
  ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K.482
1786 ケーゲルシュタット・トリオ 変ホ長調 K.498
 交響曲第39番 変ホ長調 K.543
 ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488
  ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
 歌劇「フィガロの結婚」K.492初演
1787 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527
 ホルン協奏曲第3番 変ホ長調 K.447
1788 (2月20日にシュタードラーが「バス・クラリネット」で演奏会)
 交響曲第40番 ト短調 K.550(第2版はクラリネット使用)
1789 クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581初演
1790 歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」K.588
1791 歌劇「皇帝ティートの慈悲」K.621初演
 ジングシュピール「魔笛」K.620初演(9月30日)
 クラリネット協奏曲 イ長調 K.622初演?(10月16日)
 レクイエム K.626