4、母なる地球への寄生体―人間

 本日は、ゲーム形式で進ませていただこうと思います。前回お配りしたシンディ・エンジェル著『動物たちの自然健康法』(羽田節子訳、紀伊國屋書店)の「薬を丸のみにするチンパンジー」はお読みになったと思います。まず、皆さんにお聞きします。この一文で思い浮かべる二文字か三文字の熟語をあげてくれますか。読後感を交えてお答えください。
 
 チンパンジーが、普段は口にしないザラザラした表面のキク科アスピリアの葉を、丸飲みにすることがあり、いったい何のためにこのような行為をするのかが研究者のあいだで物議をかもしておりました。腹痛の治療に使われている化学物質チアルプリンーAを含んでいるが、丸飲みではその成分が働くとは思えず、謎の摂食行動だったのです。この問題に答えを出したのが京都大学霊長類研究所准教授のハフマン・マイケルでした。

 なんとザラザラしたアスピリアの葉の表面に、腹痛の原因となる寄生虫の線虫がくっつき、フンと一緒に排出することを発見したのです。つまり、化学的効果ではなく物理的効果による虫下し薬として、ザラザラの葉が寄与していた、ということなのです。

 さて、皆さんの答えはおおむね「寄生(寄生虫)」でまとまってきたようですね。では、次のゲームに入ります。この話によって啓発されて、私は本日、あるテーマでお話をするつもりです。それはいったい何だろうか、が次の質問です。ヒントを差し上げます。一つは英語の4文字、もう一つは日本語の漢字5文字です。
 
 お答えいただきありがとうございます。第一が「SGDs」(Sustainable Development Goals)、日本語にすると「持続可能な開発目標」ですね。そしてもう一つは、「持続可能性」でした。

 温暖化やプラスチックごみ投棄問題に象徴される現代の環境問題に対処するための用語ですね。さすが皆さん、時代に敏感です。では、先ほどの「寄生(虫)」と合わせて、どんな話に私は仕立てようとしているのでしょうか。これが、次の質問です。
 
 そうです、その通りです。人間という動物は、実はこの地球に寄生している「寄生虫」ではないか、が私の仮説です。寄生虫は、自分の宿主について、それが死のうが生きようがまったく関心がありません。その宿主が駄目になれば、ほかの宿主に移ればいいだけの話ですから。
 
 私たち人間が、地球という資源を食いつぶすことによって温室効果ガス(CO2)の排出が止まらず、国連環境計画(UNEP)の報告書(2014年)によれば、地球の平均気温上昇を2度C以下に抑えるためには、2080年~2100年の間で、すべての温室効果ガスの排出をゼロにする必要がある、となっています。

 いずれ住めなくなることを見越して、地球外の天体への移住計画までもがまともに考えられる時代になってきました。候補地は、月、火星、そして小惑星ケレス、木製の第二衛星エウロパ、さらに土星の衛星タイタン、さらに、人類はいずれ太陽系を飛び出し、銀河系内のどこかへの大移住を開始するのではないでしょうか。
 
 チンパンジー研究家のハフマン・マイケルさんは「人間は一種の動物に過ぎない」と言っています。その動物=寄生体・人間が消えた後は、ほかの生き物たち、獣も鳥も魚も昆虫も、何よりも豊かな森林と、生命あふれる海が快復する楽園になっているかもしれませんね。