6、朗読と歌曲「モーツァルトを愛(いとお)しむ」

2015

 今回は、豪華ゲストを招いてのコンサート「モーツァルトを愛(いとお)しむ」です。子どものころ「ぼくのこと、好き。ねえ。ぼくのこと、好き」が、モーツァルトの口癖でした。もちろん、大好きさ、モーツァルト。君のことが愛(いとお)しくて仕方がない。さあ、きみ自身の歌で、私たちの君への愛を届けたい。聞いておくれ、モーツァルト
 というわけで、出演

ソプラノ 宮部小牧
メゾソプラノ 加賀ひとみ
バリトン 高橋祐樹
ピアノ 鳥井俊之
お話 武田竹美

2015
(左から 武田、鳥井、宮部、加賀、高橋の諸先生)

 の諸先生方による特別コンサートが、聖徳大学10号館14階ホールで行われました。歌劇《ドン・ジョヴァンニ》《フィガロの結婚》《イドメネオ》《コシ・ファン・トゥッテ》から、精選された愛の歌が、モーツァルト自身に捧げられたのです。

談笑

 素晴らしい公演をお聞かせできないのは残念ですが、公演終了後、受講生たちと諸先生方とが膝を交えて懇談する素晴らしい機会がありました。カラオケ談義から歌舞伎論議にいたる幅広いテーマが俎上に載せられ、忌憚のない意見を語ってもらいました。

プログラム>

Pf. 鳥井俊之
お話:武田竹美

1. Un moto di gioia (K. 579)
喜びの思いが                  Sop. 宮部小牧    

2. Chi sa, chi sa qual sia (K. 582)
誰がいとしい人の悩みを知ろう         Ms. 加賀ひとみ    
   
3. Don Giovanni ~Deh vieni alla finestra (K. 527)
  歌劇《ドン・ジョヴァンニ》より 窓辺においで  Bar. 高橋祐樹    

4. Idomeneo ~Zeffiretti, lusinghieri (K. 366)
歌劇《イドメネオ》より そよ吹く風よ      Sop. 宮部小牧    

5. Le nozze di Figaro ~Non so più cosa son, cosa faccio (K. 492)
歌劇《フィガロの結婚》より  自分で自分がわからない  Ms. 加賀ひとみ    

6. Don Giovanni ~Madamina, il catalogo è questo
歌劇《ドン・ジョヴァンニ》より 可愛い奥様、これがそのカタログ Bar. 高橋祐樹    

Così fan tutte (K. 588)  歌劇《女はみんなこうしたもの》より
7. Ah, guarda sorella
妹よ、見てちょうだい   Fiordiligi:宮部小牧  Dorabella:加賀ひとみ    

8. Soave sia il vento 風よ、穏やかに
Fiordiligi:宮部小牧 Dorabella:加賀ひとみ Don Alfonso:高橋祐樹    

9. In uomini, in soldati
男たちに、兵隊たちに               Despina:宮部小牧    

10. Il core vi dono
心をあなたに差し上げます  Dorabella:加賀ひとみ  Guglielmo:高橋祐樹    

<曲目解説>
1.Un moto di gioia (K. 579)
 《フィガロの結婚》13番の、スザンナがケルビーノを女装させるアリアの差替え曲として作られました。ここでは具体的な描写や進行はなく、不安の時はやがて去るから、希望を持ちましょうと軽やかに歌います。

2.Chi sa, chi sa qual sia (K. 582)
 マルティニ・ソルーレ作曲のオペラ《奇特な気むずかし屋》に加えるための曲として書かれました。ダ・ポンテの作詞です。

3. Don Giovanni ~Deh vieni alla finestra (K. 527)
 《ドン・ジョヴァンニ》は、本来《罰せられた放蕩者またはドン・ジョヴァンニ》というタイトルを持ち、モーツァルト自身、悲劇と喜劇とが織り交ざったドラマ・ジョコーゾと呼んでいました。悪事を働き、反省もなく女性を誘惑するジョヴァンニが、亡霊によって地獄に落ちるまでが、コミカルかつ劇的に描かれます。これはタイトルロールの歌うセレナーデで、マンドリンの伴奏にのせて、エルヴィラの侍女を優しく窓辺に誘います。

4. Idomeneo ~Zeffiretti, lusinghieri (K. 366)
 《イドメネオ》と呼ばれますが、《クレタの王イドメネオ、またはイリアとイダマンテ》というタイトルを持っています。モーツァルトが24歳で書いた最初のオペラ・セリアで、トロイア戦争後のクレタ島が舞台です。
 海神に息子イダマンテを生贄に差し出すこととなってしまったイドメネオ王の苦悩と、イダマンテを巡る三角関係の行方が描かれます。捕虜としてクレタに捕まっている王女イリアが、そよ吹く風や花々に向け、秘かに王子に寄せる想いを歌う場面です。

5. Le nozze di Figaro ~Non so più cosa son, cosa faccio (K. 492)
 皆さまご存知の《フィガロの結婚》より、ケルビーノの登場のアリアです。
恋に恋する美しいお小姓ケルビーノは、溢れ出る胸のときめきを、自分でもどうしたらいいのかわからない、と歌います。

6. Don Giovanni ~Madamina, il catalogo è questo
 棄てられたジョヴァンニを思い切れず追ってきたエルヴィラに、従者レポレロが女性たちについて書かれたノートを見せます。ジョヴァンニが愛した女性は各国に山ほど、老若問わず、タイプもばらばら、それぞれにお楽しみ、と慰めにならない慰めをコミカルに歌います。

7.~10. Così fan tutte (K. 588)
 《コシ・ファン・トゥッテ》はモーツァルト晩年の《魔笛》の前に書かれたオペラです。
二人の姉妹の恋人、フェランドとグリエルモに、哲学者ドン・アルフォンゾは女性たちが貞節を守れるか賭けようと言ってお芝居を提案します。若者二人は変装してそれぞれ別の相手に言い寄りますが、悲しみの内に居る姉妹に拒まれます。アルフォンゾに買収された侍女デスピーナの手引きもあって、妹ドラベラ、姉フィオルディリージとも、ついに心を許し…結婚にいたるところで、変装をといた男性たちが登場。苦い思いを残しつつも、女はみんなこうしたもの、と元の鞘に納まって幸せに幕を閉じます。